SURFACEが解散したあと、とてつもない喪失感により腑抜け……にはなっていませんでした。なぜなら、ボーカル・椎名慶治さんのソロデビューが発表されたからです。
本当はSURFACEはSURFACE、ソロはソロと分けて考えなければいけないんでしょうけど、最初はそこまでの心の余裕はなく。あと、ソロを応援し続けてたらいつかまた再結成する日が来るかもなー、と淡い下心も込めつつファンとなっていました。あ、今は違いますよ。純粋に椎名さんソロのファンでもあります。
椎名さんがソロになってからは、SURFACEの時の反省を生かしてなるべく参加できるライブは参加するようにしました。行けるときに行けるライブは行っておかないと後々後悔する。これはSURFACEで痛いほどよくよく学んだことです。今現在、コロナ禍の状態でもそれは強く思うことの一つ。
ソロ時代の思い出はまた書くこともあるだろうなので、ここはすっ飛ばすんですが一つだけ。2016年、椎名さんがソロ時代の楽曲を集めたベストアルバムを発売することとなりました。
椎名慶治ソロ・ベストアルバム『RABBIT"BEST"MAN』。
椎名さんはベストアルバムを発売、じゃあギター永谷喬夫さんは何をされているのか?SURFACEを解散して以来、ほとんど表舞台に出ることがなくなった永谷さん。アニメ作品に楽曲提供をするようになっただとか、「any」というボーカルレスのギター・ピアノ・ドラムの3ピースバンドを組んでライブをやるようになっただとか、芸名を「永谷喬夫」から「永谷たかお」に変更しただとか断片的な情報は入ってくるのですが、正確な動きはつかめませんでした。そもそも公式、と呼ばれるものが存在してなかった。
その頃、あることがきっかけで永谷さん作曲に飢えはじめ「あの永谷サウンドを聴きたい…!」とネットを徘徊しては楽曲収集をしていた頃でしたので、「だったらちょうどいい、椎名さんのベストアルバムに合わせてこの際永谷さんの4年間の作曲分をリスト化してしまおう!」と思い立ち。
そのきっかけの「あること」なんですが。
2014年に『ハマトラ』というアニメが放送されました。もちろん自分も見ていたのですが、実はそのEDを歌っているのが羽多野渉さんで作曲は永谷喬夫さん!(まだ「たかお」名義ではなかった頃)
と、いうことに放送当時は全くといいほど気づいておらず。放送終了何か月か後にTwitterでSURFACE関係のフォロワーさんが「永谷さんの作曲がある!」とツイートしてたのを見て「あああああ!!!俺『ハマトラ』全話見てたのに全く気付いてなかった…!」と大ショックを受け。こいつはいかん!いろいろなものがなまってやがる…!と奮い立ったのがきっかけです。
そして2016年冬。椎名さんソロアルバム発売に合わせて永谷さん作曲リストをツイートしたものがこちらとなります。
【拡散希望】椎名慶治さん(ex.SURFACE)が今年ソロ5周年でベストアルバムを出しましたが、じゃあ相方の永谷喬夫さんは今何をされてんだ(公式がないので把握ができない)、って事で分かる範囲でSURFACE以外の作曲提供分を纏めてみました。一人でも多くのファンの目に入ります様に。 pic.twitter.com/IcXYqaFpqj
— 天野 (@blue_surface) 2016年12月27日
永谷さん作曲を探す際にポイントとなった点がいくつかあるのですが、その中で一番頼りにさせてもらってたのが音楽制作クリエイター集団「MONACA」。
「MONACA」の社長は(多分知っている方も多いと思いますが)SURFACE再始動(再結成)の際にもお祝いコメントを頂いた岡部啓一さん。有名どころでは『らき☆すた』の「もってけ!セーラーふく」や物語シリーズで有名な神前暁さんや、様々なアニメのOP・EDを手掛けている田中秀和さんなど。ほかにも曲聴いたら「あ、知ってる!」というような方々がたくさんのクリエイター集団です。
MONACAが楽曲制作に関わっている場合、永谷さんも何らかの形で関わっていたことが多かったようです。永谷さん自体はMONACAに所属…していた訳ではないみたいなんですが、何らかのつながりがあったのかなと。この辺の話をできたら永谷さん本人の口から一度聞いてみたいですよね。
あ、あと、これは勝手に自分が思っていたことで関係ないとは思うのですが、田中秀和さんがアニメのOPを作曲されている場合、永谷さんが関わっている可能性が跳ね上がってた気がします。
例えば『這いよれ!ニャル子さん』『Wake Up,Girls!』『ハナヤマタ』『あんハピ♪』『灼熱の卓球娘』と。
また話逸れちゃうんですけど、田中秀和さんの作曲されるOP・EDって最高なものが多いですよね。上にあげた『あんハピ♪』『灼熱の卓球娘』のOPが個人的にとても好きなんですが、それ以外には『サーバント×サービス』のOPとかも。あと、最近見始めた『アイカツ!』のED『カレンダーガール』と『オリジナルスター☆彡』はマジ神曲。
はい、本題に戻って。
そんな感じで椎名さんのソロ曲を楽しみつつ、永谷さんの曲を探しながら数年が経過しました。そして時は流れ2017年の年末。
2013年から椎名さんは毎年自身の誕生日(12月30日)にライブを行っており、自分も毎回参加しておりました。そして今年もそれに参加しようかな、しかも今年は30・31日の2デイズだもんな、と考えながら、ふと思い立ってSURFACEのホームページを見たところこんなことに。
最初「え、何?ついにSURFACE、ホームページまで消えちゃったの?どっかのアパレル系サイトに乗っ取られでもしたの?マジかよ…」と思ったんですがどうやら少し様子が違う。「COMING SOON...」って書いてるしな。これはもしかしたらもしかするかもしれん…と思いつつ東京へ。
12月30日、ライブ1日目。会場には。
「おいおいおい、こいつはただことじゃねえぜ…」永谷さんが椎名さんに花を贈るなんてこと今までにあったか?そしてホームページのあの文字。なんとなくの確信は持てたものの1日目では特に発表はなし。まあ、発表があるなら明日だろうな…とわくわくそわそわしながら次の日を待つ。
そして2日目。12月31日のカウントダウンが終わり。スクリーンに流れる映像。そこには「SURFACE再始動ライブ」の文字が!!
わかってた!なんとなくわかってはいたが、改めて発表されるとやっぱりクるものがあるな!!!気づいたら泣いてた。8年待ったもんな。やっぱ長いよ8年は。青年が中年になるくらいには。
再始動ライブは5月27日。20年前に1st Single『それじゃあバイバイ』が発売されたSURFACEのデビュー日。これは行かねばならぬ。というかですね、そもそも2018年がSURFACE20周年ということには気づいていて、デビュー日である5月27日には何らかの動きがあるだろうと前々から考えていました。
この頃、仕事の関係で資格を2つ取ることになり、1つの資格を取得するために約9か月学校に通う必要がありまして。仕事しながらの学校通いなので結構体力的にも精神的にもきついんだろうなー、しかも資格2つだから1年に1つずつ取っても最低で2年。もし受からなかったらそれだけ延びていく…。もしストレートで受かったとしても2年連続はしんどいな…そうだ、2017年に1つ目の資格、2018年は休み、2019年に2つ目の資格、というスケジュールでいこう。ちょうど2018年はSURFACE20周年で何かあるかもだし、まあもし何もなくてもそれはそれで!!という感じで3年計画を組んでいたので、ちょうどうまくこれが当てはまり「計画通り…」とデスノートのキラみたいな顔ができました。
解散ライブの時と違い、今回はチケットもすんなりと入手。そして前回は当日昼に東京到着だったのが、今回はさらに余裕をもって前日到着に。なぜって?『SURFACE』と書かれたグッズが欲しいからさ!思えば、昔はグッズとかにもとんと興味がなく、解散ライブの際は「せめて何か1つくらいは『SURFACE』の名を冠した物を買おう…!」と思いつつもライブ開始前は長蛇の列に心が折れ、ライブ終了後には何とか並んだものの購入できた物といえば500円のミニトートバッグ1つだけ。これではいかん!今回はその分もいっぱい買う!推しには貢ぐ!この金が推しの血肉となればそれでいい…!
解散してた8年の間にだいぶ訓練されたファンになってしまいましたね…。
そして5月26日に東京到着、翌27日。
大体ソロライブの時は物販開始2時間前に来ればちょうど列形成が始まるころだろう、だが今回は8年ぶりのライブ、しかも解散ライブのときのあの長蛇の列を見ているだけに油断はできない、少し多く見積もって倍の4時間前なら…ということで豊洲駅に降り立ったのが朝7時。誰もいない。
そりゃそうだわ。早すぎるわ…と思いつつまあ会場の様子だけ見てみるか、と思ったら1人いました。早い…!ということで列の2番目に並んでひたすら待つ。いや、こんなに早く来る予定はなかったんだが仕方ない…。
そして無事グッズ購入。いっぱい買ったった。その後、開場時間までだらだらと過ごしいざ会場へ。今回キャパが3000人ということでそんなに人数が入るライブなんて行ったことないので果たして前が見えるだろうか…と考えつつも何とかステージが見えそうな位置をキープ。開演までの時間がこうもどかしいというかなんというか。あー、始まったらどうなるんだろうな、多分泣くだろうな。でもこれは悲しい涙じゃなくて嬉しい涙なのでデトックスみたいなもんだからまあアリだな、とかどーでもいいことを考えていました。
そしていよいよ開演。1曲目は『CHANGE』。SURFACEが解散前に最後に発表した曲。そうかー!これ持ってくるかー!もう涙腺やばいわー、でも1曲目から泣くってのもな!前見えなくなっちゃうしな!と思いながらの2曲目『Re:START』。はい無理でしたー。ボロッボロに泣いたわ。こんなん泣くなって方が無理だわ。椎名さん、永谷さん、おかえりなさい…!!
という夢の3時間ライブでした。3時間!?
すっげえ楽しかった。そして足にキタ。年取ったな…。
SURFACEのファンになってから20年、一回離れてまた戻ってきて、なんだかんだで人生の半分以上付き合っている音楽。これからもずっと追い続けるか、それともまた離れてしまうこともあるのかそれはわからないけれど、これまでの思い出、今日の思い出、そしてこれからの思い出は、たぶん心の深いところに残り続けるだろうな、と。
そしてSURFACEのファンになって本当によかったなと思いました。
ということで、つらつらと書き殴りましたがちょうどきりがいいのでこの辺で締めたいと思います。長々とお付き合いありがとうございました。
こっから蛇足。
再始動ライブのことを解散ライブに比べてさらっと書いたのは、思いが少なかったとかそういうことではなく、ライブ後の出来事の衝撃がでかすぎてそっちに大分塗りつぶされてしまってるからです。
で、こちらがその出来事。
ライブの次の日、岡山まで飛行機で帰りシャトルバスに乗ってる時のこと。友達から「『Re:Birth』読んだー?」とラインが。
家に帰ってからゆっくり読もうかな、と考えていたので「いや、読んでないよ」と。「きっと18ページ目でテンション上がると思う!とだけ言っとく!」と不可思議な返事が。もしかして今度岡山に来ることとか(次のライブが岡山で開催されることが決まっていた)書いてあんのかなー、と思い帰ったら即寝するつもりだったけどとりあえず読み始めることに。
ん……ん……!?
永谷さんのインタビューのとこに何か書いてあるぞ…。あれ…?「Twitterで僕の仕事をリストアップしてくれた人がいたらしくて」ってもしかして…?いや、でも自分以外にも同じようなことやってた人もいたかもしれないし、そっちのことかもしれないな。そもそもこのツイート載せた当時、別にそんなに広まりもしてなかったし。まあ、でも…念のため、永谷さんに聞いてみるか?いや、でもどうやって聞けばいいんだ?いきなりTwitterでリプライ送るってのもなんかあれな気がするしなぁ…。
と、悩んではみたものの好奇心が抑えきれずに聞いてみることに。ライブ終了後でいろんなリプライ来てるだろうし、まあ違ったらそのまま無視してもらっても構わないものだしね、と自分に言い訳を聞かせながら送信ボタンをポチッと。
すると。
ワォワォ!
— Takao Nagatani / 永谷喬夫 (@TakaoNagatani) 2018年5月28日
リトルレジスタンスまで!!!
ありがとうございます!!! https://t.co/GjxldSDhpS
うわー!やっぱり俺だった……!!!
そして。
— 椎名慶治 (@Shiinastar) 2018年5月28日
椎名さんにも!!
いや、まさか記念すべき再始動のメモリアルブックに1年半前のツイートが言及されるとか誰も思ってないって。めちゃめちゃ嬉しいんですけど、めちゃめちゃ恥ずかしい…!
あの2016年末に作成したツイートはあくまであの時点のものなので、もちろんそこから再始動までに作曲された曲は書いてないし、2016年まで発売された曲でも結構抜けがあることをあの後教えていただいたり自分で調べて気づいたりしたしで…。
これはあれから更に楽曲を編曲分まで追加した2018年度版の作成…いや、永谷さんの公式もできたことだし本来なら自分ごときがすることじゃない。
だが、公式に過去作曲が掲載される様子もないようだし、Wikipediaの永谷喬夫ページ作成のためにも(このころにはまだ「永谷喬夫」個人掲載がWikiにはなかったので作成しようとも思ってた、が結局やらず…)最新版かつ最終版を作らねばならぬか…!
と調子に乗って、2018年8月に作詞・椎名慶治、作曲・永谷喬夫、SURFACEとしての提供楽曲、羽多野渉さん・佐藤拓也さんの『Scat Babys Show!!』の発売に併せてまた永谷さん作曲リスト(今度はわかる限り『any』の楽曲や、編曲やギター参加のみの楽曲も入れるようにした)を作成することになるんですが、それはまた別のお話。
いやー、あれはマジでビックリした…。
というお話でした。さすがに衝撃的すぎた。
あ、最後に。
これ何回もTwitterで言ってて誰にも共感得られてないんですけど、それでも言いたいこと。永谷さん作曲リストの中に羽多野渉さんの『Rolling life』という曲があるんですが、これは作詞・作曲、永谷喬夫版の『たまり場』だと勝手に思ってます。題するなら『たまり場2.5』。実際はアニメ『ハマトラ』内に出てくる主人公たちのたまり場「カフェ・ノーライフ」のことを歌った曲だというのはよくわかってるんですが、大事なのは永谷さんが作曲の上に作詞までしているということ。多分、間違いなくSURFACEの『たまり場』が参考にされてるんじゃないかなーと。だといいなーと。それを思いつつ聴くと泣けます。それがなくてもいい曲なんですが。まあ御託はいいから聴け。